施工事例レポート
CASE REPORTS

電線共同溝設置工事に伴う道路復旧工事(28五-1)及び路面補修工事(28五の7・遮熱性舗装)|(東京都)

工事背景

東京都では、2014年に策定された「東京都無電柱化推進計画」に基づき、2020年までに、センター・コア・エリア(首都高速中央環状線の内側の地域)内の都市計画幅員で完成した都道の無電柱化を完了させる計画を進めています。同時に、震災対策上、重要な位置付けにある緊急輸送道路をはじめ、利用者の多い主要駅などで重点的に整備を進めています。



その一環として実施された、特例都道浜町北砂町線(第474号)清澄橋通りの電線共同溝整備に伴い、完工後の道路復旧と補修に関する本工事を、戸田道路が担うことになりました。



頭上に張り巡らされた電線類を地中に収め、都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出に向けて行われた電線共同溝の仕上げとして、安全性とバリアフリーの向上、そしてヒートアイランド現象の緩和を狙った取り組みとなっています。

施工にあたっての課題

本工事の区間は、沿道付近に清澄白河駅や清澄庭園をはじめ様々な商店やビル、高層マンション、学校が隣接しています。昼夜を問わず、一般の通行車両や歩行者の行き来が多いため、安全確保と注意喚起、騒音や振動などの周辺への影響の抑止が最重要課題として挙がっていました。



加えて、車道部では縦断勾配を極力つけないで排水を確保すること、歩道部ではバリアフリー化することが、事前の計画に盛り込まれていました。また、現地調査も踏まえ、電線共同溝の地上機器や通線などの特殊部の高さが変更できないこと、占用企業のマンホールが上下線に400個あり、高さ調整が煩雑になることなども、予想されていました。



「センター・コア・エリアでの施工は、なにより施工時の周辺への影響をどれだけ抑えて、ご迷惑がかからないようにできるかがカギを握っていると考えています。それら対策を手抜かりなく講じるのはもちろん、事前の説明やPRを丁寧に進めることが、ひるがえって安全の確保や工期の遵守につながる━━その想いで課題解決に取り組みながら、本工事に取りかかりました」と、本工事の責任者である高橋所長は話します。

導入した技術や工夫

本工事では、歩道部の舗装に透水性の60mm高と不透水性の80mm高のインターロッキングブロックを採用。色決めは「沿道はじめ周辺の地域のみなさんとの協議の上、決定していきました」と高橋は言います。



施工に関しては、1日目に掘削→路盤→一時開放、2日目に敷砂→インタロッキングブロック据付→完成の、即日スパンのサイクルで順次施工を進めました。その際、1日目の施工後の一時開放のときに、すべり止め付き10〜20mm厚のゴムマットを敷設。通行者への注意喚起の看板と路面マーキングを実施し、段差などによるつまずき転倒の防止に向けても、抜かりなく取り組みました。



また、車道部でも、横断勾配を2%内に修正。L型街渠の注水枡を低く設置して排水性を確保。ヒートアイランド現象の抑止に向けた遮熱材も、施工時に臭気がない最新の資材を採用し、施工時の周辺への影響を最大限に抑える工夫を施しています。



「施工日の調整など、こまめに沿道や周辺で戸別に顔を出し、しっかりご説明してまわりました。その際、沿道住民さんからの陳情をうかがうことができ、発注者への報告・協議の上、本工事で対応可能な部分は一緒に改善するなどの部分でも、地域貢献に尽くせたと思います」と、現場での細やかな対応で地域住民と発注者をつなぐのが得意な高橋は振り返ります。

取り組みの成果

高橋ら現場スタッフの尽力で、無事に工期内に無事故で納めることができた、本工事。発注者からも、想像以上に苦情やクレームがなく、スムーズな施工で仕上げてもらいよかった、との評価をいただきました。



「歩道部のインターロッキングブロック施工では、特段変わった技術を用いることはありませんでした。その分、基本に忠実な施工で通行者への配慮に細心の注意を払いながら取り組み、美しい仕上がりで引き渡せたと思います。特殊部やマンホールの干渉部分が多く、詳細設計や図面起こし、関係各者との調整に本当に苦労しましたが、その甲斐があったという大きな達成感を得ることができ、いい思い出がある案件です」と、高橋も評します。



また、戸田道路では課題となるテーマを見つけることにもつながりました。「関係者全員が施工や仕上がりをイメージする際、どうしても個々でバラつきが生じてしまうもの。本工事でも、そうでした。現場の現況と計画、仕上がりをICTの活用で可視化し、3Dパースなどで共有できるようになれば、話も早いしギャップもなくなるはず。そうした仕組みを確立していきたいですね」という高橋の気づきを活かしながら、今後、早急にデータ活用環境を整えていきます。

完成(遮熱性舗装・インターロッキング舗装)
清澄通り・清洲橋通り交差点
インターロッキング敷設状況
誘導ブロック敷設状況
施工完了(歩道No5(R))
施工完了(歩道No1(L))

工事概要

分野
電線共同溝工事
採用した工法・技術
本工事の担当拠点・代表技術者
東京本社 高橋 達也
本工事の発注者
東京都建設局 東京第五建設事務所(補修課)
本工事の工事エリア
東京都江東区清澄1丁目地内〜同区白河3丁目地内
本工事の工期
2016年10月3日〜2018年3月28日
インターロッキングブロック舗装の工事概要
総延長
1252.15m

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