施工事例レポート
CASE REPORTS

滋賀県立命館守山高校造成|(滋賀県)

工事背景

守山市立守山女子高等学校(1959年に守山町立守山女子高等学校・被服科として設立)を前身に、2006年4月より学校設置者が守山市から学校法人立命館に移管され、立命館学園の4番目の附属高校として、新たなスタートを切った立命館守山高等学校(男女共学・普通科設置)。



2007年4月に守山市三宅町の新キャンパスに移転し、新たに立命館守山中学校(男女共学)を開校。中高一貫教育体制で、若者たちの失敗を恐れずに挑戦する未来の礎として、文武両道で応えている学び舎です。



そんな同校では、新キャンパス移転後、しばらく体育館とテニスコートしかない状態がありました。その解消に向け、多彩なスポーツの公式試合を開催できる高機能を有した新グラウンドの用地取得と建設に着手。2010年に戸田建設が観客席や付帯施設などの建設を、戸田道路がグラウンドを、と戸田建設グループとしてしっかり受け持つカタチで、2010年に本工事に着手することになりました。

施工にあたっての課題

本工事では、概要にある通り、約22,000㎡の面積を持つ多機能型グラウンドとして、まず全天候型舗装6レーンの外周400mトラックを設け、そのインフィールドに人工芝を敷き詰め、アメリカンフットボールコート1面・サッカーコート1面・フットサルコート2面を兼用できる機能を備えるなど、多彩な競技に活用できる本格的な競技施設を仕上げることになっていました。



そのため、グラウンド施工に関する課題として、トラック材や2種の人工芝など種類の異なる舗装を均一に敷いていくために、路盤や目止め・下地処理、そして施工ジョイント部の仕上がりでの高さ調整・管理の徹底が、最重要課題として挙がりました。



「普段は道路づくりがメインの私たちですが、広大なグラウンドを新たに創り出す機会を与えてもらい、しかも公式試合ができるレベルでという高度な要求事項に挑めるとあって、それまで培ってきた道路の技術ノウハウでどこまで勝負できるか、と武者震いしたのを覚えています」と本工事の責任者である戸田道路の鈴木は振り返ります。

導入した技術や工夫

本工事に臨む際、まずは入念な現地調査と詳細設計を実施。道路とは異なる広大なフィールドを前に、すべて職人による測量や施工で進めるより、自動化で効率よく進める方が得策と、鈴木をはじめ戸田道路では判断を下し、2010年当時では業界でもまだ珍しかったICT施工の走りでもある、MCのブルドーザーとモーターグレーターによる整地施工の導入に踏み切りました。



「自分にとってもMC導入は初めての試み。結果への不安は正直ありましたが、道路とは異なり施工面積がべらぼうに広いグラウンドの整地ですので、逆に新たなことに挑める大チャンスと捉え、積極的に提案を仕掛けたのを覚えています」と鈴木は思い返します。



また、整地後の表層施工時には、道路づくりで積み重ねた技術ノウハウから、ホットジョイント工法で挑戦することに。この工法は、幅員の広い道路を継ぎ目なしに舗設するために、アスファルト材を敷きならす専用機械のアスファルトフィニッシャー2台を、がん行(斜めに並んで進む)させて道路全幅を一挙に舗設する特殊工法です。道路より広いグラウンドにも、施工ジョイント部を少なく済ませる効果を発揮するものとして採用しました。

取り組みの成果

ICT施工とホットジョイント工法により、大幅な工期短縮と高精度な施工仕上がりを両立させたことで、人工芝やトラック材を敷設する協力会社の施工に余裕ができ、非常に喜ばれました。同時に、高機能なグラウンドを求めていた発注者からも、大きな評価を得ることができました。



「路盤など下地づくりは、長年にわたり道路づくりで培ってきた技術ノウハウがあります。私自身も多彩な現場で経験を積み重ねてきました。しかしグラウンドの舗装となると、初めて扱う素材などもあり、正直、求められる仕上がりで応えられるか、少し不安もありました。結果的にご満足いただけたのは、施工前の段階から綿密な工法選択と工程調整をかけ、いかに早く施工面積を出せるかにこだわったからこそと自負しています」と鈴木も評します。



学業だけでなく、部活動も盛んな立命館守山高等学校・中学校の生徒たちに、こころおきなく練習や試合に取り組めるフィールドを提供できたことは、戸田道路でも大きな誇りと感じています。

全天候舗装
人工芝
表層工

工事概要

分野
舗装工事
採用した工法・技術
本工事の担当拠点・代表技術者
大阪支店 鈴木 宗
本工事の発注者
学校法人 立命館
本工事の工事エリア
滋賀県守山市三宅町250番地
本工事の工期
2010年2月15日〜2010年5月31日
薄層舗装の工事概要
全天候型多機能グラウンド
約22000㎡
うちインフィールド
再生砕石RC-40・150mm+開粒度アスファルト混合物50mm+人工芝(弾性ゴム仕様)60mm
うちアウトフィールド
再生砕石RC-40・150mm+開粒度アスファルト混合物50mm+人工芝50mm
うち走路(外周400mトラックの6レーン)
再生砕石RC-40・150mm+粒度調整砕石M-30・100mm+開粒度アスファルト混合物50mm+屋外スポーツ用全天候型舗装トラック材・15mm

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